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書評とよべればいいけれど

本の紹介ブログです。解説というよりは感じたことを中心に、その本が読みたくなるような記事をめざします。

【書評】朝井リョウが朝井リョウたる所以 ー『学生時代にやらなくてもいい20のこと』-

今回は朝井リョウさんのエッセイ『学生時代にやらなくてもいい20のこと』について書いてみようと思います。

 

学生時代にやらなくてもいい20のこと

学生時代にやらなくてもいい20のこと

 

  

あれこれ書く前に、まずは私のお気に入りの部分から。

 

メロスのように走った。民家の前におじさんがいる。彼が私のセリヌンティウスだ。

 

どうですか、この鬼気迫る感じ。

この描写で、朝井さんのおなかの弱さについて書かれているんだから、余計面白いわけです。

11ページという序盤のこの部分で心をぐいと掴まれた私は、そのままページをめくり、1日で読み終えてしまいました。

それくらい読みやすく、読み終えてしまうのが惜しい1冊です。

 

あと、「自分は馬顔だ」という自虐エピソードが、定期的に入ってくるのもなんだか好きでした。

 

朝井リョウ朝井リョウたる所以

 

私は以前朝井リョウさんの3作品を一気にご紹介する記事を書きました。

 

c82.hatenablog.com

 

 

今回エッセイを読んで、小説を読んだ後に読んだからこその感想を持ちました。

それは、何かというと、「これが、朝井リョウ朝井リョウたる所以か…」です。

 

朝井さんの作品で印象的なのは、学生たちのリアルすぎる描写です。

そしてこの正体は、

朝井さん自身が同級生たちを外からみて (カーストでいうと下の方からみて) 感じたことなのだろう

と勝手に思っていました。

 

しかし、このエッセイに出てくるのは眩しいエピソードの数々。

カットモデルに500キロバイク、

島に船で行ったかと思えばリアル脱出ゲームにも参加しています。

 

つまり、「朝井さんが外から見ていた同級生」こそが朝井さん自身だったわけです。

上記のような体験を実際にして、中からみて感じたことが、

朝井さんの描写につながっているのではないか、

これこそが、朝井リョウたる所以、

以前書いた記事の言葉を用いるなら、「プロの学生」たる所以なんだ…と感じました。

 

と同時に、こんな感じで楽しんでいる人が『何者』とか書くの!?という混乱もありましたね。

朝井リョウさん、おそるべし。

 

きっとエッセイを読んでから小説を読んだら、小説の感想も違ったものになるような気がします。

 

星野源朝井リョウ

 

さて、以前星野源さんのエッセイについても記事を書きました。

 

c82.hatenablog.com

 

今回読んで思ったのは、「この2人、文体似てない?」

私自身エッセイ経験が豊富でないので、それが、

このお二人に限ったことなのか、

はたまた、エッセイというジャンルがそうなのかはわかりませんが、

そんなことを感じました。

そして、いいなあと。

私もこんな文章を書けるようになりたいものです。

 

それにしても、エッセイって面白いですね。

なんだかはまりそうです。