書評とよべればいいけれど

本の紹介ブログです。解説というよりは感じたことを中心に、その本が読みたくなるような記事をめざします。

【書評】竹林と『美女と竹林』と『ロバート秋山のクリエイターズ・ファイル』

私は竹林が好きだ。

竹林といえば、たとえば京都の嵐山、伊豆の修善寺、鎌倉の報国寺

どこもそれぞれの趣があって、それぞれ美しい。

嵐山はその規模の大きさと薄暗さから、異世界に迷い込んだ感満載であるし、

修善寺は、明るく朗らかに竹林の良さを伝えている。

報国寺は、庭としての竹林使いが見事である。抹茶が飲めるのもまたよし。

 

しかし私の竹林好きというのは、全国津々浦々竹林を求めて歩き回るほどではなく、

ただ旅先に竹林があるという情報を聞きつければ、

「なんかいい感じの竹林があるらしいよ」と言って、行く流れに仕向けるくらいで、

おすすめ竹林も、先に挙げた有名どころ3か所くらいしかまだない。

 

とはいいつつも、冒頭でここまで書いてしまうくらいには好きだし、

つまりはこんなタイトルの本があったら手に取ってしまう。

 

『美女と竹林』、今回はこの本について書いていこうと思う。

著者は森見登美彦さん。

タイトルからわかるように、この本の中心にはいつも竹林がある。

いや、有るようで無いし、無いようで有る。

美女と竹林 (光文社文庫)

美女と竹林 (光文社文庫)

 

 

『美女と竹林』について

 

この本はエッセイのような顔をしている。

しかし本当に?

主人公は登美彦氏であるから、一見エッセイぽいのだけど、

読み進めるとどこまでが本当で、どこからが虚構なのかわからなくなってくる。

まあでもいいじゃない。そんな感じで構えて読んだらいいと思う。

 

彼はこの本の「孟宗竹分解法講義」の冒頭でこんなことを言っている。

 これから語ることは、多くの人にとって実益のないことですが、私はかつて裏山の和尚さんに「原則として実益のないことしか語ることができない呪い」を掛けられたものだから、もう諦めてください。 

そういうものである。

 

『美女と竹林』と『ロバート秋山のクリエイターズ・ファイル』

 

この本には「森見登美彦(MBC最高経営責任者) 今、すべてを語る」という章がある。前編と後編。

これを読んで思い出すのは、『ロバート秋山のクリエイターズ・ファイル』。

 

creatorsfile.com

 

ロバート秋山のクリエイターズ・ファイル』では、お笑いトリオ・ロバートの秋山さんがさまざまなクリエイターになりきっている。

先日しゃべくりにも出ていたので、ご存知の方も多いかもしれない。

 

さて、『ロバート秋山のクリエイターズ・ファイル』には本もある。

クリエイターズ・ファイル Vol.01 (ヨシモトブックス)

クリエイターズ・ファイル Vol.01 (ヨシモトブックス)

 

 この本の中身は、秋山さん扮するクリエイターのインタビュー記事。

そのクリエイターが個性的すぎて中身も面白いんだが、何より、ふと、結局は嘘なんだよなあと思えてこれまた笑えてくる。

 

つまりは、「森見登美彦(MBC最高経営責任者) 今、すべてを語る」でも同じ読後感におそわれたという話である。愉快愉快。

 

まとめ

 

私はこの本を読んで、何かを得たとか感じたとか、ストーリー展開が好きだったとかそういうことはない。

しかし、この作品が好きである。

 

ただ、好き、というだけで、おすすめしたいか、というと別の話になってくる。

好みが分かれるだろうということを読んでて感じたからだ。

だからこの書評では、

こんな本があるんですよ、いやまあ、好き嫌いがあるとは思うんですが、それはそれとして、ひとまず読んでみるという選択肢もね、あります

と存在を示す。そんなところである。