書評とよべればいいけれど

本の紹介ブログです。解説というよりは感じたことを中心に、その本が読みたくなるような記事をめざします。

【書評】芥川賞初心者が『火花』『コンビニ人間』を読んだら

皆さんは「芥川賞」にどんなイメージをもっていますか?

私はこの名前を聞くと、「純文学」「芸術性」というキーワードが浮かんでしまい、

なんだか身構えてしまいます。

芥川賞受賞作品をほぼ読んだことがない、芥川賞初心者」なわけです。

 

そんな私が

又吉直樹さんの『火花』と

村田沙耶香さんの『コンビニ人間』

を読みました。

今回は、芥川賞受賞作品を読んだことない私が、この2作品を読んで思ったこと、について書こうと思います。

 

まずは2作品をご紹介

・『火花』 / 又吉直樹

火花

火花

 

 

2015年上半期の芥川賞受賞作品です。

著者はお笑いコンビ・ピースの又吉さん。

連日メディアに取り上げられ、大きく話題になりました。

 

この作品の主人公は、又吉さんと同じお笑い芸人。

その主人公が、先輩芸人の神谷と出会い、過ごしていくお話です。

 

 

・『コンビニ人間』 / 村田沙耶香

コンビニ人間

コンビニ人間

 

 

2016年下半期の芥川賞受賞作品です。

著者の村田さんはコンビニでアルバイトをされている(されていた?)そうです。

最近アメトークの読書芸人で取り上げられ、再注目されています。

 

コンビニで働くことで、世界の部品となり、正常な人間になることができる主人公のお話です。

 

芥川賞初心者が『火花』『コンビニ人間』を読んだら

 

最初に言ってしまうと、どちらも思っていた以上に、というかとっても読みやすかったです。

分量もちょうどいい。

私の場合、

ちょっとでも空いた時間があると続きを読みたくなる = 自分がはまっている証拠

なんですが、どちらの作品もまさにこれでした。

 

そしてどちらの作品も、著者にとっての身近な世界を描いています。

だからこその描写に、読者も引き込まれてしまうのかもしれません。

 

さて、ここからはそれぞれについて書いていきます。

 

『火花』について感じたこと

この作品には神谷、という先輩芸人が出てきます。

この先輩芸人に、私はなかなか感情移入ができなかったです。

感情移入というより、なんだろう、この人が存在していることを想像できなかったというか。

でも、作品の中で彼は存在して、そして彼の言うことが心に響いたりもする。

もしかしたら彼の言う「伝記」を読んでいる感覚なんでしょうか。

不思議だったなあ。

 

あとは衝撃のラストですかね。

ああ、又吉だ。ピースの又吉だ。

こんな気持ちになりました。

コントでも小説でも変わらない、というところがなんだか私はよかったです。

 

『コンビニ人間』について感じたこと

この作品の主人公・古倉恵子の幼少時代のエピソードを紹介するところから始めましょう。

 

・死んでいる小鳥を見て、「家で食べようよ」と言う。

・喧嘩している男の子2人。誰か止めて!と言われたからスコップで殴って止める。

 

うーんこわい。狂気の二文字が浮かびます。

でも当の本人は冷静で穏やかで、シンプルに「なんでだめなんだろう?」と思い、

その理由もわからず、「自分は治らなければいけないらしい」と思う。

で、この「なんでだめなんだろう?」に対して「そりゃだめだよ」と思うんですが、

その理由を意識しながら生活していないから、読みながらぱっとでてこないんですよね。理由が。

で、「なんでだめなんだろう?」ってなってしまう。

狂気を感じる主人公に自分が重なりかけて、不安になる。

読み終わるまでずっとそんなモヤモヤがつきまといました。

あと最後は少し切ないですね。

 

2作品を読んで

私は以前、こんな記事を書きました。

 

c82.hatenablog.com

 

 

この記事では、読書の楽しみ方について、一次元的・二次元的という表現をしています。

一次元的は、観客として物語を追う楽しみ方、

二次元的は、自分と物語を行き来するような楽しみ方です。

 

この表現を用いるならば、

私は『火花』を一次元的に読んだし、『コンビニ人間』を二次元的に読みました。

 

どちらがいいというものではありませんが、

二次元的に読むことに楽しさを感じるいまの私にとっては

『コンビニ人間』の方が印象に残りました。

 

そして何より、芥川賞受賞作品をもっと読んでみようと思いました。

読んでくださった皆様、何かおすすめがあれば、教えていただけると嬉しいです!